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逢瀬日記

ご主人様との出会いから今迄。 後天性被虐趣味なわたしの手記。

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逢瀬日記32(2)

ドラッグストアでローションを買い求め、
あらかじめアナ/ルも遣って頂けるよう、
下準備をして待ちます。

指定された場所、
指定された時間を少しまわった頃、
肩に手が触れられて、
ああ、こんなふうに始まるのも、
すごく久しいこと、と、思います。

あとをついて、小部屋へと。

そこまでの道行きは、
少し距離をおいて歩くのが好ましい。
つれられていくという感覚を堪能できるから。
まぎれもなく、
いま、
街中で、
雑踏で、
リードを牽かれているという感覚。
ご主人様と、私にしか見えないリード・・・。

ご主人様は、ベビーピンク色の薄い生地に、
ちいさな花柄があしらわれた、
細やかなレースでふちを彩っている刺繍糸が多色使いで美しい、下着姿になった私を、
足元に跪かせ、
ご挨拶と、・・・、脱衣を命じられました。

そののちに、
ベッドにあがることを許され、
ご主人様の肌に、近づきます。
ご主人様と奴隷という、
はてしない、届かない距離、絶対に縮まることのない距離を感じながら、
こんなにも近く、その体温を感じて、くらくらします。
その絶対的な距離に、安心感を覚えるのは不思議な感覚です。
「また」「戻ってくることができた」という安心感。
「まだ」「奴隷で居られる」という安心感。
被支配に対する快感。
被虐への期待は、
ご主人様の所有物として扱われることへの期待。
その期待は、
ご主人様がその欲望、支配、加虐・・・を隠すことなく全てを、
私にまっすぐに向けて下さることへの期待。
私を所有物と見なす心の動きへの期待。
その心の動きに囚われる悦び。
ご主人様の本当の心の一部・・・に、
向き合える悦び。
偽りない姿を晒し、
また、
偽りない姿に触れる悦び。
私はご主人様を見上げて、
ご主人様は私を見下ろす。
まじわる視線が、ご主人様の繋いだ鎖。









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