2ntブログ

逢瀬日記

ご主人様との出会いから今迄。 後天性被虐趣味なわたしの手記。

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
別窓 | スポンサー広告 | ∧top | under∨

逢瀬日記37(2)

簡単に脱衣を済ませ、
シャツと、
グレーのボクサーブリーフを
着けただけの、
ソファにゆったりと掛けたご主人様の
足元に引かれました。
ご主人様は、
リードを握ったままで、
ご主人様の足に
縋るように抱きつく私を見て、
「どんな気分?」と問いました。

何かを言おうとして・・、
それでも、
なにも口にできない私を、
見下ろしたままで、
「どんな気分?」と、
再び問います。

私がどんな状態か。
今なにを感じ、考えているのか。
伝えるべき言葉は何も見つからず、
ここにいるだけで、
それだけで満たされてしまって、
何も・・・。

褒めて貰いたいために悦んで貰えそうなことを言っていた私、
よく思われたいと思っていた私、
論理的に何かを考えようとする私は、
このときどこにも居なくて
ただ、言葉では伝えられない何かを感じていました。
何かの言葉と交換することで
それそのものが失われてしまいそうで
ご主人様の手に握られたリード、
きつく巻かれた首輪、
それだけを感じていたいと思いました。

ご主人様の性器はもう既に硬くて、
膨らみが下着を押し上げていました。
私は、鼻先を近づけて、すっと吸い込みます。
言葉をためらいながら、
その匂いで、ずっと奥の方まで
満たされていくのを感じました。

「言いなさい」
語気が強まります。
ご主人様に叱られるの・・・も、好き。
それは甘えだと思う。
関心をいただくことへの甘え。
ご命令に対して、自分の気持ちに似ている言葉を探します。

「こわい・・・こわい気持ちと、安心」

「「何がこわい?」」
再び、問われます。

私は、再度の問いを前にして、
気持ちやことばの真意を問われることが、
ご主人様の責めの中で
いちばん厳しいものだと思います。

納得できるところまで、
思いを尽くさないと、
決して許しはしないから。

私は泣いてしまいます。
意図とは別のところで
言葉よりも先に、気持ちが溢れて、
涙に変わってしまいます。

「かわること」

そう伝えました。
こころのなかには、
先日の、自分の辛さゆえに、
ご主人様に
「私の名前を呼んで欲しい。
ひとこと、それだけでいいです」と、
ねだったときのことがありました。
そしてそれをご主人様に伝えます。
「先日、ご主人様に智薫と呼んで欲しいと、
名前を呼んで欲しいと言ったのは、
私の本当の気持ちで、
本当のことを言うのは、すごくこわかった」

「それで?
言ってみて、どうだった?」

「こわかったです。
言っていいのか、思ったままのことを言っていいのか。
でも
受け取って貰えて
すごくうれしかったです」

「そう」

「ご主人様は、だめなことはだめと、
間違っていることは間違っていると、
言って下さると思うのに、
今まで、だめ、とか、間違っていると
言われることがこわくて、
思ったままを伝えることが
できませんでした」

言っていいか自分の許可を求めてから
ご主人様に伝えて
自分の思いを隠してきたことを知ります。
涙は幾筋も跡をのこして、
次から次へと
尽きることなく溢れます。
懺悔のような、
告白のような、
秘めていた気持ちを晒す恥ずかしさ。
心を開くことの痛さ。

先日、「名前を呼んで欲しい」とお願いしたのは、
私が奴隷としてはじめてした「甘え」だと思いました。
そんなふうに甘えてみるのもこわかったし、
受け入れられて安心した自分を知りました。

泣いてぐちゃぐちゃの私の頬を見て、
頭を何度も掌で撫でてくださいました。
「一歩前進」
そうおっしゃってくださいました。

「名前を呼んで欲しい」
そのお願いひとつは、
私の中で大きな変化でした。
たくさん撫でて下さってから、
「顔洗ってきなさい、ぐちゃぐちゃだ」と
言って下さいました。

マスカラは睫毛から零れそうで、
アイシャドウの薄茶が目の縁を汚していました。
綺麗にして、
ご主人様のもとへ戻りました。
きっと、「ご主人様の奴隷」の顔をして・・・







ご訪問ありがとうございます。ランキングに登録しています。
1クリックいただければ幸いです。



別窓 | 逢瀬日記31~ | コメント:4 | ∧top | under∨
| 逢瀬日記 | NEXT>>