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逢瀬日記

ご主人様との出会いから今迄。 後天性被虐趣味なわたしの手記。

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逢瀬日記29(2)

半分あきらめの気持ちで店を出ます。
プラグがぎゅっぎゅする。
ぬちぬちと歩くたびに責められる感覚。
2人きりで過ごせた時間は
あっという間にすぎて、
私は寒空の下を
ご主人様の客人を迎えるために歩く。

それらしいかたに声をかけ、
手でこちらへと示し、
私が先を歩きます。
地面だけ見てる。
私は帰りを待つご主人様のことだけを考えている。

個室に戻ると、
もうとっくに「ご主人様」の顔で、
足を組んでおられました。

「はじめまして。どうぞ」と、紳士的に挨拶を交わされます。

今日のこの会は、第三者を加えた調教、の、ための面接を目的としています。
奇妙な三者面談。

その席についたのは、
M性が強いと自称するおじさまでした。
(以下、K氏とします)

K氏は。「緊張します」と少し笑います。
「この子もそうだと思います」ご主人様は、そう私を指します。

お酒を少し嗜みながら、
K氏の性的な遍歴や、好きなプレイなどを伺います。
静かに頷きながら。

K氏からも、いくつかの質問があり、
ご主人様がお答えになります。

K氏は、気分がのってきたのか、とても愉しそうにされていました。
ご主人様の口から出る、ご主人様や私に関する情報は、
多すぎず、少なすぎず、
真実であるが、聞かれていないことには答えない程度の情報。
理性を感じさせるものでした。
それでも、これほどたくさんの言葉を交わすことは、
私との調教では滅多とないので、
私はご主人様から零れる言葉を
ひとつも逃さないように、
一生懸命聞きました。

「智薫は聞きたいことはないの?」
ご主人様は、私にふります。
「相手から教えて貰ったら、自分のことも話さないとだめでしょ」
うう、もっともな指摘。

ご主人様は、私がK氏と少し話し始めたのを見て、
席をはずされました。
ご主人様~、いかないで~・・・。

2人分の空白。

「ご主人様からどんなふうに連絡があったんですか?」
私はご主人様に関することを聞こうとします。
ご主人様のことを思わないとこの見知らぬ男性と会話など成立しません・・・。

K氏の口から聞く、
ご主人様の側面。
ご主人様が、K氏のM性をテストするために、
行った色々・・。

野外オナニーや、射精管理を、
ご主人様から受けていたと聞かされました。
「男性が男性へ、命令するのは滅多にないことだと思っていたけれど、
躊躇いなく自然にそう命じられて、ちょっとどきっとした」、と。
そのS性がこわいような感じもしたけれど、
実際会ってみて、常識的で理知的なかただったのでよかったと
笑っておられました。

私は、ご主人様が調教のための準備として
彼にした色々を思いました。
相手が男性であろうと、
S性を向けたことにジェラシーを感じながら、
もっと聞きたいと思っていました。

ご主人様に関する私の知らないことを教えて下さったので、
私も、今施されていること、
プラグ、や、剃毛や、排泄の管理
について、お伝えしました。
最近の調教のお話も少し。

K氏は、思ったよりもしっかり調教されているのですね、と、
話されました。
K氏との会話は、私を脅かすことはなく、
いわゆるS性へ向ける畏怖と敬愛において、
いくらか一致している感じがして、
そして、ご主人様に対して、よい評価をされているように思えて、
居心地の悪さは感じさせませんでした。

この空間では、照れもなく、
ご主人様の素敵なところ、大切に想っていること、
ご主人様の奴隷であることがうれしい気持ちなどを
伝えることができて、
それを不思議な気持ちで見つめました。

私がご主人様の奴隷という前提で第三者とお話しすること、
奴隷としての気持ちを実際に口にするのは
初めての経験でしたが、
思った以上に、うれしいことでした。

そして、何より、一番うれしかったのは、
ご主人様のことを褒めて頂いたときだということを知りました。

空気が柔らかくなった頃、
ご主人様は戻ってこられて、
「何話していたの?」と、少し笑った眼で訊かれます。

「どんなプレイが好きか、とか、
私が今どんなご命令を受けているか・・・などです」
ご主人様に言葉を伝えるたびに、
奥のほうがきゅっとなります。
ご主人様のSで私がMになるんだ・・・って。

「この子は、全くはじめてのところからのスタートなので」
と、私について話すとき、
この子と呼ぶご主人様を見つめて、
「こっちの」世界で、自分が思っていた以上に、
奴隷として大切に扱われているように思いました。

お話はもう少し続き、
面談もそろそろ終わりかなという頃、
会話の切れ目に、ご主人様は私のショーツに手を入れ、
「智薫、ここ、どうなってる?」
と、“言うように命じ”ます。
「奴隷の、おまん/こ、濡らしています」
震えるようなちいさな声に、聞こえないと叱られ、
もう一度その言葉を
俯きながら口にします。
向かいに掛けるK氏にもやっと届く声の大きさで。

「話してるだけなのにな」
そう、隣に掛けているご主人様は私の耳元で囁きます。
ご主人様の声に私がどんなふうに反応してしまうか、
もうご存じのはずなのに。
私は、「ご主人様の奴隷として」そこに居ることを
認められるだけで感じてしまうのです。


「智薫。このかたをどう思う?」
ご主人様は、そんなふうに訊かれます。
どう思う、それはつまり、
智薫のおもちゃとしてどう思う、
調教に加わることに関してどう思う、
そういう質問と同義でした。
「決めるのは、ご主人様ですから」
「そうだね。でも、智薫の意見も必要でしょう?」
命令としてそうおっしゃいます。

・・・。
「私のおもちゃになって欲しいと思います」
私はそんなふうに言ってしまいました。
私はK氏のまえで、ご主人様の奴隷で居ることが好ましく思えたし、
彼のM性もまた、かわいらしく感じてしまっていました。
もし私がK氏というおもちゃで遊んで、
ご主人様がそれで悦んでいただけるのなら、
そのご主人様を見てみたいです。
ご主人様に悦んでいただくために・・・。

ご主人様は支払いを済まされ、
K氏の差し出す紙幣を拒み、店を出られました。
どこへ行くとも一言もないまま、
先へ進まれるので、
面談が終了したのか不明なまま、
ご主人様と、それについていくK氏の背中を見つめます。
ご主人様とK氏がどこかへ(?)行くのに、
まさか、私がついていかないわけにはいかない(笑)と思いながら、
少し離れて歩きます。

K氏との会話を反芻し、
ご主人様からご命令を受けたと少し興奮気味に
話していたところを思い出し、
再度ジェラシーを感じている自分を知ります。
男性でさえこうなのですから、
もし、女性だったらと思うと・・・。
未だよかった、なんて思えてしまいます。

ご主人様は、
K氏を近くで待たせ、
私を連れてホテルへ入り、
「3人入れますか?」とカウンターで訊いておられます。
その言葉にカウンター付近にいたカップルが、
同時に私をフッと見ます。
・・・。

(今日、面談だけだと思ってた)
そう心につぶやきながら、
キーを受け取ったご主人様のあとを追ってエレベータに
乗り込みました。

「K氏を待たせている」
「3人入れるらしい」
その事実を知りながら、
気持ちがざわめくまま、
2人きりの部屋で、
ご主人様の言葉を跪いて待ちました。









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