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逢瀬日記

ご主人様との出会いから今迄。 後天性被虐趣味なわたしの手記。

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逢瀬日記19(5) 赤

後をついて、ブースを出て、
ご主人様がカウンターでお会計をされている間、
私は、お店の前で待っている散歩途中のペットのような気持ちでした。

階段を降りることひとつとっても、
ひきつれるロープが、
足の付け根や、その奥を締めつけて、
立っているのも結構辛い・・のです。

恥ずかしさでいっぱいの気持ちと、
これから調教をしていただけるのかなという
期待の混じるうれしい気持ち、不安、
そういうもので満たされていきます。

けれどもやはり、ご主人様の行動はいつも予想外なのです。

ご主人様は、ホテルへとは向かわれず、
角を曲がって、人通りのある(!)、
商店街のある方へ入ってゆかれました。

人通り、
人のいる場所特有の少し熱をもった空気、
ざわめき、
店々から流れる、安っぽい音楽。

肌が敏感に私の輪郭をはっきりさせます。
縛られて初めて人のいるところを歩くという経験は、
異世界に連れてこられたような感じでした。
それが着衣のしたの出来事で、
すれ違う人たちから察知できないものであったとしても・・・。

見たことがある風景も
初めて接するような感覚。
私や私のご主人様とは何の関わりも無い往来の人びと、
何気ない通りの様子も、
特別なものとして見てしまいます。
細い路地から覗く、小枝の先に見つけた、
葉のひとひらの緑でさえも・・・

歩くたびに、アナ/ルビーズの先端が
ぷらぷら揺れるのを感じます。

私のしっぽ・・。

今日、このようなミニスカートで来るのは
間違いだったと、ひどく思います。
きっと段差のあるところなら、
後ろから見えちゃう・・。

ブラウスも、襟ぐりが大きく開いているので、
外からそうと判らないにしても、
自分の視線からは、
時折ちらちらと、紫のロープがのぞいてしまいます。

ご主人様とお散歩中の奴隷、というタイトルが頭を掠めます。











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