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逢瀬日記

ご主人様との出会いから今迄。 後天性被虐趣味なわたしの手記。

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逢瀬日記35(7) 調教

私はくちを開いた。
口腔で、舌で、肌を吸って肌を受け入れた。
まえの、
34度目のあのときと違って、
ご主人様は私の行為ひとつひとつに
反応を返して下さいました。
ご主人様の反応を見て
自分の輪郭を感じる。
少し幽体離脱しているような感じ。
変なの・・・
変な体験。

ああ、
私がここにいることを感じた。
確かに感じた。
感じていることを感じる。
苦しみやかなしみ
悦びや快感
その源は私のどこにつながっているのか
何を求めて何を欲して
いまここにいるのか。

いま私は「ご奉仕」をしているのか、
いま私は何らかの「仕打ち」を受けているのか。
ぼんやりとしながらも
舌は働くのを辞めない。

私はご主人様の目の奥を見つめた。
その眼には繕う感じは無かった。
いままでのご主人様の眼だった。

肉を肉として扱う行為を終えて、
何もなかったように帰路につく。






ひとり歩きは、考え事に絶好の時間になった。

剝きだしの気持ちは痛い。
私を悲しませるのは何だろう?その気持ちの源泉は?
失望?落胆?
ネガティブな変化を知って
私はやはり一度は目をそらそうとしたし、
疑心を持ってしまった。

おそらく「つぶれない程度の外圧」と思って
ご主人様が掛けたプレッシャーで、
私はすぐつぶれそうになってしまった。
混乱して、感情的になった。

ご主人様は・・・、
私がどんな反応を示すか
見たかったのだろうか。
ドロドロのぐちゃぐちゃになるのを見たかったのか
さらりとクールにしているのを見たかったのか
どちらがお望みか
けれど・・・
たぶん、
これからの私は、きっとどちらでもない。

私はまっすぐ見つめたいし、
自分の見たモノ、自分の感じたものの
手触りを確かめたい。
私は・・・。決めました。
自分をごまかしたりしない。
違う気持ちでふたをすることはしない。
自分にとって何が大切か。その正体を見る。
責めるのは簡単
自分の信じる正しさを声高に叫ぶだけで済む。
去るだけで済む。
「私のことは大事ではないの?」
「この関係は大切にしないの?」
「調教にもう価値はないの?」
「誰とでも・・・、いいの?」
って、こんなふうに。
いつでも・・・、いますぐにでも出来ること。

それよりも、
私は「もうひとり」も、主も、自分自身も否定することなく、
仮想だとしても相手の位置に立って
相手の正しさを知りたい、理解してみたいと思う。
何かを得てみたい。
多分いまは、戦ったり、逃げたり、投げたりしないと思う。
正体を見ようと思った。

私が気懸かりだったのは
好きな色や血液型の質問に答えるような軽やかさで、
“ちなみに、こういうことだから・・・”というような
ニュアンスで伝えられたこと。
それが喉に刺さった小骨のよう。
告知には重みがなく、
重大さを伴っているようには思えない
「たいしたことはない」という様子。
言っても言わなくても同じ、というような・・・
だからこそ、何のためか、見当がつかない。
意味の無いことをする方ではない。
でも、こんなにも私に対して意味がなさそうに放られた言葉。
それがもしも、意味のあることとして伝えられたなら
また違ったかもしれない。
私が事実以上にふらついている理由は、
私にとって、大きな変化であるものの、
主にとってはそうではなさそうな、
その温度差。
差。
事実の軽さは私の軽さと同じように思う。
これはあとをひくと苦しくなるだろうと思った。

私の求めるもの、行きたい場所をはっきりさせる必要を感じた。

あとは、“もうひとり”に対する
デリカシーがどうなっているのかと、
感染症のリスクの存在には懸念した。
“もうひとり”には、直接は関係しえないので、
後者の問題を解決しておこうと思った。

細菌やウイルスにとっては感情は無関係。
気になる変化はなかったけれど、
不顕性感染も在りうるので、
一通りの検査を受けた。
きっと、もし、逢うことがあるとして、
こんなふうでも、未だ、
私は悦んでまた肉に為るだろうから。
私は、安全を感じないと、
気持ちよくはなれないし、
身体は開けない。
とりあえず・・・、今後は見えないまでも、
いままで、並行した時期があるだろうから、
そのための検査。
結果は異常なし。

これからの身体の変化にきっと敏感になる。
自分の身体を愛しく思う。
私はセーフティセック/ス推奨派。

気持ちと、身体と、
苦痛と、快楽。
ぐるぐる縺れ合って、
私に何を見せてくれるの?
私は見たい。








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