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逢瀬日記

ご主人様との出会いから今迄。 後天性被虐趣味なわたしの手記。

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真珠心中

美しい真珠の出自は残酷なのです。

人工的につくられる真珠の誕生は、
固く閉じた殻を無理矢理にこじ開けられ、
ひらひらの外套膜にメスを入れられて
異物を大切なところ・・・
卵巣に紛れ込ませるところから始まります。
1年や2年の歳月をかけて、
貝殻とほぼ同じ成分の
カルシウムが
その異物を包み込み、
真珠層を形成して、
つやつやと美しい真珠となるのです。
この間、母体の貝が死んでしまっては、
真珠は形成されません。
生きたままで、
身のうちの苦しみを
そっとそっと幾重にも包み込み
あの輝きを秘めるのです。



真珠の展覧会に行ってきました。

意味深に薄暗く照らされた、
絨毯敷きのフロアを踏みしめ、
恭しく飾られた
装飾品の数々を
ゆっくりと
見て歩きました。
何人の手に渡ったか、
古代から
魅惑することを止めない
奥ゆかしい輝き。

その純白から、
キリスト教では純潔の象徴とされ、
その球体から、
中国では智慧の象徴とされたといいます。

きっと、
その出自が明らかで無かった時代には
本当に不思議な宝物だったことでしょう。
稀に、ぽろりと見つかる
光の珠・・・。
母体の貝殻自体が貴重とされていて、
偶然の産物である真珠自体に
価値がおかれていなかったことも
あったとか。

生きた状態で無いと、
生み出せない美しさ
というところに
物語を感じます。

そうして、完成したときには
生物としての死に晒される。
真珠の生成は美との心中

輝けるものを痛みと共に育むこと・・・。
その輝きを求める者へと差し出すこと。
その恭順を秘めた、
物語が、
いっそう真珠の魅力を
増しているのだと思います。

私も貴方のように
生きて、
殉じたい、
核となる想いのもとに。








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