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逢瀬日記

ご主人様との出会いから今迄。 後天性被虐趣味なわたしの手記。

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逢瀬日記4(2)

あの靴が見えた。
視界に入るだけで、
ご主人様の存在を認知するだけで、
これからの時間が今までと違った特別なものに変わる。
その存在が、そこに居ること、
それがすべてをこんなにも変えてしまう。

靴は靴でしかない。鞄は鞄でしかない。服もまた同じ。
でも、それを身につけているのは、
たったひとりしかいないご主人様。
ご主人様を特徴づけるものを見て、
こんなにも心が動く。

心音、高まる。
胸がくるしいというのはこんな感じか。
見たままの言葉でしか知らなかったことを、
身体で感じる。
ひとりでは知らなかったことを、
ご主人様にふれてたくさん知る。

ついていった先の、エレベータはひどく狭い。
息がつまる。
切ない。
見透かされそうでこわい。
こんなに近くに居て、
恥ずかしい。

部屋に入って鍵を掛けた。
始まってしまう、
そう思った。








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