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逢瀬日記

ご主人様との出会いから今迄。 後天性被虐趣味なわたしの手記。

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『口枷』

口枷は、ご主人様が用意したものだった。
中央に穴の開いたボールが通され、
ピンク色のエナメル質の布地が
私の頬の皮膚、顎の骨、黒くしなだれている髪までもをきつく締めつけた。

ご主人様は私に、
しばしばそれをあてがった。
そうするのは、ご主人様のお気に入りの
行為のように思われた。

口枷だけが与えられることもあれば、アイマスクと共に私の感覚器官を抑制する事もあった。


口枷が私を拘束するとき、
私の口は窮屈そうに醜く歪み、
上下に裂き開かれた唇は
めくれあがり、
舌は居場所を失ったかのように
口腔の下方へ押し下げられ、
言葉は何かの罰のように取り上げられた。
唇の端からは行き先を失った透明な涎がだらしなく垂れた。

私はそんなふうにして声を奪われるだけで、
無力な肉の塊に変化したことを自覚せざるを得なかった。
体温のある肉のおもちゃだった。
呼吸の苦しさから、
荒い息がヒューヒューと漏れた。
こんなにも私を醜い存在にして、
それはどのようにご主人様の欲望を満たすのだろうと思った。

ご主人様はただ、私から、あらゆる自由を奪いたいのだと思った。
無力な肉の塊になって、それでも、
ご主人様の存在を求める、
惨めでいやしい非力な奴隷を
心から求めているのかもしれなかった。
そして、その状態を私に見せつけたいのかもしれなかった。
私は鑑賞されている。
射すような視線に身を晒している。
荒い息づかいだけが静かな部屋に響いていた。










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