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逢瀬日記

ご主人様との出会いから今迄。 後天性被虐趣味なわたしの手記。

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矢、杭、槍、穿つものすべて

ご主人様に、初めて調教を受ける前に交わした言葉。
ご主人様の言葉。





私はご主人様に問いました。
私はSMについて、ご主人様にお逢いする前に予習をしておくべきですか?と。
あらかじめ知ろうとしておくこと、
それが礼儀なのか、よく分からなかったので聞きました。
ただ、私としては、ご主人様から、ご主人様のやり方で、
このことを知りたいと思っていました。
それに対して、ご主人様はどう思われるか、どきどきしながら返事を待ちました。
ご主人様は簡潔に、その必要はないとお答えになりました。
その背景には、ご主人様が、ご主人様のやり方で私を導く。
という思いがあったように思えました。
そして、このようにもおっしゃいました。




「智薫はわたしの奴隷だからね。かわいいメスでいなさい。
私の前ではヒトである必要すらないのだから。」



その言葉に、私は射抜かれました。
純粋に、嬉しく思いました。
こんなに素直に言葉を受け止めることができるんだと思いました。

普通の感情では、お前はヒト以下の存在だと言われて、屈辱に感じるところでしょうが、
ご主人様から、そう言って戴いて、
マゾ未満だった当時の私でさえ、幸福に感じたのです。
それは、今迄知らなかった感情でした。
そして、ご主人様について行きたいと思った私の直感が間違っていなかったと思いました。
ご主人様の気の向くままに扱われたいと望みました。
その価値のある奴隷になりたいと思いました。

ご主人様の言葉は、
矢、杭、槍・・・穿つものすべて。
私を貫き、そこに拘束し、奪うものすべて。もしくは、与えるものすべて。
私はご主人様の言葉ひとつで、
いのちのきらめきを、刹那を感じて、
絶頂を知る。
または、絶望をして、
自我のありか、
深い支配の影を知る。





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