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逢瀬日記

ご主人様との出会いから今迄。 後天性被虐趣味なわたしの手記。

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逢瀬日記22(3)

ご主人様は、私の頬に手を添えて
顔を上げさせました。

私は
顔を見られるのも、
そのお顔を見るのも
どちらも耐えがたく恥ずかしく
頬は紅潮していたに違いありません。

もう一方の手で
ご主人様は私の奥の部分に触れます。
薄く笑って、
2本の指でかきまぜるようにします。
湿った音が静かな部屋に鮮明に聴こえました。
「智薫、ここ、どうなってる」

見下ろされながら、
ご主人様の唇のカーブを見つめて、
擬音を口にします。
「くちゅくちゅ言ってます・・」

「まだ、挨拶しかしていないのに、本当に淫乱だな」

そう笑って、
ご主人様は、
私のアナ/ルへビーズをぷつり、ぷつりと沈め、
首輪に繋いだリードを思い切り引いて、
ベッドへ上げました。
ご主人様が、脱衣され、私に背を向けて
ベッドに寝そべるようにされたので、
私はご主人様に対しマッサージを始めました。
ご主人様は、途中で、ふと、それを制し、
私にアイマスクを掛けました。
「続けなさい」
そうおっしゃったので、
手探りで、ご主人様の身体のかたちを
手のひらでなぞります。
ご主人様の輪郭を感じながら。
「どんな気分?」
「・・・」
「きちんと言いなさい」
「・・・、
空気、・・・空気みたいな、気分です」
「ふぅん。」

ご主人様は、よく、
私の気持ち、考えていること、
思ったことを言うように促しますが
私はいつも、その度に、
言葉に窮します。
言葉を忘れたみたいに、
何をどのように言っていいかわからなくなります。
言うべきことを意識するからなのかもしれません。
“言うべきこと”とは、
ご主人様を悦ばせるためだけの表面的な言葉ではなく、
よく思って貰いたいという邪な気持ちからではなく、
私の我を満たすための利己的な言葉ではなく、
ご主人様との関係の中で湧き出てくる
本当の気持ち。

思考することを放棄して
感じるだけの生き物になる

大抵単純な言葉に還元されます。
「うれしい」
「かなしい」
「いたい」
「くるしい」
「きもちいい」
「きもちわるい」
「いや」
「もっと」
「すき」
「ください」
・・・。
けれども
そんな単純な言葉でさえも
ご主人様にお逢いする時まで
“本当の気持ち”としては
抑圧していたことを知ります。

人間の社会的な衣を脱いで
ただの一匹の
雌になって
それで
泣いてしまいます。
剥がれていくことが
こわくて
気持ちよくて

アイマスクで手探りの私に
ご主人様はもう一度問います。
「どんな気分?」
答えは同じで、
「空気みたいな気分です」

暗闇の中では
奴隷でもおもちゃでもなくなって
私という気配の空気
そこにあってそこに居ない
ご主人様は
私の気配の輪郭を
掴んで下さるのかしら







お越しいただき、ありがとうございます。



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