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逢瀬日記

ご主人様との出会いから今迄。 後天性被虐趣味なわたしの手記。

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逢瀬日記16(2)

「呼び出しの日に、
どんなふうに来るかは、道具も含めて
智薫に任せます。
自分で考えて決めなさい」

来なくていいと言われなかったことに
ほっとしているけれど、
会ってなにか言葉を交わして、
それが今よりも大きな亀裂になることを恐れている。

私はご主人様をなにひとつ害したくない
ご主人様を大切に思う気持ちも傷つけたくない

道具は、いつも通りに持って行った。
いつも通りの準備で、
いつもとは少し違う私が出向いた。


時間は宵の口を通り越して、
気がつけば帰り道、
空は星を引き立てる深い藍色になっていた。

ほんの少し前に起こったことを
断片的に反芻する。

いっぱい言葉を交わした気がする。
場所はホテルの一部屋。
あまりよく覚えていない。
泣いてしまったことは覚えている。
「大事にされていないという思いを持ち続けるのは難しい」
そういう内容の言葉を言った。
ご主人様は、
「バランスがくずれている」
「我が出てきている」
そう言って、これが私に繰り返されていることだと示した。

時間を与えたと云った。

命令を極力控えたと。
自分でどのように努力していくかを見ていたと。

意地の悪い言い方だと思った。
受け入れがたい言葉をたくさん刺される。
熟れた林檎にフォークを刺すように
ご主人様の言葉は抵抗ない生身の奴隷に
深くまで突き刺さってくる

放置ではない。見ていただけ。
時間を与えられて
ご主人様に対して
何もしなかった私だけが
悪い
そうなんだ、
そうかなぁ。

言葉を、まずはそのままに、
そのままの姿で記憶しておこうと思う。

「別にプレイにこだわっているわけではない。
智薫の変化に興味がある。
前にもそう言ったでしょう
きちんと言葉を受け止めなさい」

ご主人様はそう云った。

今日はいつもよりも、
ご主人様の足の爪先とか、組んでいた指先とか、
そんなところを見つめていたから、
ご主人様がどんな表情をしていたのか
余り見ていない。
涙を流したのは、
我が出ているという指摘が良く理解できたから。
はじめの強烈な拘束で身体が心が覚えた
「あの上下の感じ」を
私があのときの強さのまま
持ち続けていなかったかもしれないと思ったから。
ご主人様のサディスティックな思考、振る舞いを
全身で受ける気持ち。
私は失望していたし、見くびっていた。
このかたは、たった一言で空気をつくれる人だった。
いつもは隠しているんだった。
温厚で誠実で紳士的な仮面を選択しているんだった。
“ご主人様だ”
そう思った瞬間、涙が止まらなくなった。
このかたは、私のご主人様だ。
日常の底に流れている、
理性で匿われている激しいものを
遠慮なく私に発露させて
その激しさが
私を悦ばせていたんだった。
そう思った途端、
「できると思っていた期待を裏切ってごめんなさい」
という殊勝な気持ちも自然にあふれる。
できる努力をしなくてごめんなさい。

ご主人様は、何度か顎を掴んで、
私の貌を確認していた。

「厭ならもうやめていい。
でも、私の奴隷でいたいんでしょう?
ひとりのために、かわいい女になりたいんでしょう?」

そう確認をした。
何度も私の気持ちを尋ねた。
どう思っているのか、
何を考えているのか。

そこに居ることがつらく、いたたまれなかった。
私の望んでいることのほとんどは、
私のエゴから発生しているもので、
主の望みではないと思った。

その日の帰り道、
これが別れであっても仕方ないと思った。
はやく帰宅したかった。
大の字に寝そべって、
深く深くベッドに吸い込まれて、
身体のなかから、何物かが静かに奪われていく様子を
感じたかった。
身体も心も疲弊していた。
先に気持ちを裏切ったのは私、と、何度も確かめるような味わい。

「なぜ、自分ではトレーニング出来ない?」
「自分でブレーキをかけているから?」
「では、以前私が挿れたときは、何故入ったと思う?」
「ブレーキをかけない努力をしたから?」
「一人じゃまだ、自分で動けないのなら、
命令を出すことにする。いいね。」
ご主人様は、ご主人様の奴隷でいたいと望んだ私にそう云った。

ご主人様は空白の時間を与えて
忠誠心を試していたのかもしれない。
忠誠心
私の忠誠心
未だその不確かなもの










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この記事のコメント:

智薫さん、
少し気持ちの整理が必要みたいね。
じっくり気持ちと向き合いなさい。
終わりにするのか、続けたいのか。
恋愛じゃないよ。
友人じゃないよ。
特殊な関係よ。
その特殊な部分は、時間をかけて、理解するものでもあるの。
それが、無理なら、伝えなさい。



今は、何を、考えても、悪循環になるだけ。



心の整理をしなさい。



そして、その本心に、従えばいいのよ。




それが、終わりになっても、益々奴隷として進みつづけるにしてもね。





我を出すのは、仕方ないけど、馴れ合いや大切な恋人って見て欲しいなら間違ってるよ。




これだけは言っとくね。



良いお年を。
2011-12-31 Sat 13:46 | URL | 綺果 #ZPxUmIoo[ 内容変更]
コメントありがとうございます。

向き合います。
関係をきちんと大事にしたいと思います。
その向き合い方について
よく考えてみます。
ありがとうございます。
綺果さまも、よいお年を。


2011-12-31 Sat 15:53 | URL | 智薫 #-[ 内容変更]
はじめまして。私も最近、ご主人様ができました。もうすぐ初めて会います。私自身、こういう関係は初めてです。いろいろなことができるか本当に不安です。同じようにダメなことをした時(プレー中の言葉遣いがいつも怒られます)、本気で怒られて、捨てられるかと思い、怖かったです。ブログを読ませていただき、とっても勉強になりました。頑張って会って奉仕してきます。
2012-01-01 Sun 00:24 | URL | 直子 #-[ 内容変更]
直子さま、こんにちは。
はじめまして。逢瀬日記の智薫です。
お越し下さり、コメントを残していただきありがとうございました。

直子さまにも、ご主人様がいらっしゃるのですね。
直子さまは、直子さまのご主人様のどのようなところに
惹かれたのでしょうか。
素敵な出会いになると良いですね。

本気で怒られることなんて、
そうそうない経験だと思います。
でもそれは、そうしたほうがご主人様にとっての理想の直子さまに近付き、
直子さまにとってもそうするほうが良いと思われて、
直子さまのご主人様が意識的にされていることだと思います。
直子さまにとって素敵だと思えるような、
大切に思えるような、初体験がたくさん待っているといいですね。

私の書くブログに、勉強になる箇所があるかは疑問ですが(笑)
私のご主人様のおっしゃることは尤もなことで
私のご主人様の理想とする主従関係は素敵なものだと思っております。
ですから、そう言っていただけて、とてもうれしいです。
ありがとうございます。
直子さまに素敵な逢瀬の刻が訪れますように。



2012-01-01 Sun 14:59 | URL | 智薫 #-[ 内容変更]
このコメントは管理人のみ閲覧できます
2012-01-01 Sun 17:11 | | #[ 内容変更]
コメントありがとうございます。
鍵付なので、詳しいことは述べませんが、

私はそれでいいと思います。
不安あれば不安のまま、
期待あれば期待のまま、
何かを偽ったり隠す必要はないと思います。

はじめから100%の信頼などありません。
もしそれがあるなら、貴方さまは新興宗教やセールスの勧誘にはゆめゆめお気をつけください(笑)
関係はそこにあるものではなく
つくっていくものだと思います。
だから今の気持ちのままでいいと思います。

続けられるかどうかは、今は分からなくていいのです。
気持ち良いと感じるもの、
求めていたと思うもの、
それがそこにあれば続くでしょうし、
違うのならば自分に嘘をつかないようにお気をつけください。
相手方さまも同じ、どきどきした気持ちのなかにあるのではないでしょうか。

身の安全には気をつけて。
はじめは信じすぎない範囲で
丁度良いくらいではないでしょうか。



2012-01-01 Sun 21:03 | URL | 智薫 #-[ 内容変更]
このコメントは管理人のみ閲覧できます
2012-01-01 Sun 22:58 | | #[ 内容変更]
私からお伝えできるのはその限りです。
たくさんのものを見てくださいませ。
私と言葉を交わしたことが
鍵付コメントさまの何かにつながれば
とてもうれしいです。
またお越しくださいませ。
いつでもお待ちしております。

智薫
2012-01-01 Sun 23:51 | URL | 智薫 #-[ 内容変更]
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