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逢瀬日記

ご主人様との出会いから今迄。 後天性被虐趣味なわたしの手記。

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『天体観測』

貴方は新しい遊びを思いつきました。
貴方はいつも、
こんなふうに、
その聡明な知性を存分にはたらかせて、
私を玩具にするのが、
とてもお上手なのです。

木枠のフレームの貴方のベッドに、
ピンと張られた、清潔な真っ白のシーツが支配する領域に
無造作に配置した、
裸の私、
その私の身体じゅうのほくろを、
ブルーのインクでなぞっていきます。
それはそれは愉しそうに、
点から点へ、
思うまま、
ペンの導くまま、
私の身体をなぞっていきます。
ある線は乳首へ向かい。
乳首の隆起に従い。
ある線は、内もものそこと交差し。
鎖骨を目指して。

貴方の意思を得たラインは私の身体を区切っていきます。

「これはペルセウス」
ダナエがゼウスの黄金色のザーメンの雨で身籠った英雄の名を、
愉しそうに告げます。

今宵私は、
こんなふうにして、
貴方のベッドで、
貴方だけに見える星を映す
貴方だけのプラネタリウムに
成ったのです。








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『緊縛』

人を縛りたいと思ったのはいつからか?
いつもそれは、抽象的な「女体」として、
イメージされる。
痩せた女、太った女、
背の高い女、低い女、
いろいろあるが、
思い描くそれは、
ほどよく平均化された、
抽象的な「女体」だ。

ああ、ぞくぞくする。
ロープに抵抗する肉の弾力、
こちらを恨めしそうに、
または懇願するように、
あるいは諦めの表情で、
私の暗い欲望を満たす美しい瞳。

女の髪。
黒く艶があり、
手にしっとりと馴染むその髪を、
くっと、痛みと快感の擦れ擦れの際で掴み上げたい。

女の肌。
透ける様に白く、
青く浮き出る静脈の走行もまた美しく、
肌に触れると吸われるような、
しっとりとしたなめらかさ、
いつまでも触れていたい、
滑るような。

くっきり浮き上がる肩甲骨の造形の美しさ。
骨はなんと清潔で綺麗な機関なのだろう。
私は肉を抱くと共に、その美しい骨もまた、
感じ取ることが出来る。

ロープに区切られて、
主張を始める女の乳房。
尻の肉厚。
屠られることを望む生物だという信号を発している。

きつくロープを張ったときの、
指に伝わるぴんとした感触と
うっと呻く魅惑的な声、
意思を失い動けなくなる身体。
私こそが「女体」の、自由を手にしているという倒錯。

はらり、と、解いたあとの縄跡。
紅く這う欲望の証。
私のものだと確証する模様。
私に支配された証。

私は、女を縛りたいと望み、
それを望む女を縛るが、
さりとて、何をしようという意図はない。
縛ること、
それだけが大切で
それだけを求めている。

もしかしたら、
支配という言葉の意味に、
魅了され、
私もまた、
その思想に
支配されているのかもしれない。









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『フレーム』

気の向くまま連れられて、たどり着いた先は、
大型の家具店でした。
広い敷地内に、たくさんの家具が展示されています。
貴方は、貴方の目的地に向かってどんどん進むので、
私は、はぐれないように、必死で後を追います。
貴方はいつも、
意図を私に伝えてくださることなどありません。
だから、私はいつも、
その眼が何を見ているのか、
心がどこに向いているのか、
貴方よりも容量の少ないメモリで
必死に考えを及ばせようと努力するのです。

探しものを見つけたのか、
貴方は足を止めました。
そこには、何種類ものベッドが配置されていました。
「そろそろ買い換えるつもりなんだ。」
貴方は、シングルとセミダブルのベッドの間を行ったり来たりしています。
フレームに手を置いたり、
マットレスの弾力を確かめたり、
真剣に選んでいる様子を眺めているのも、
私にとってはとても楽しい時間でした。

貴方は、私のそばに来て、
耳元で囁きました。
「フレームが大事なんだ。」
貴方にどのようなこだわりがあるのかを、
真剣な表情で、聞き逃さないよう注意深く耳を傾けます。
「レザーや木製も、雰囲気があっていい。
でも、私は、アイアンベッドにしようと思っているんだ。」
そう言って、
無機質なアイアンの曲線に添って
少しの装飾が施された
アンティークっぽい、シックなデザインのものに手を触れます。
「なぜか判る?」

「いいえ。部屋の雰囲気に合わせて、ですか?」
私は自分の回答に自信なく、おそるおそる応えます。

「手錠。」

てじょう、その言葉は、日曜の昼下がりの平和な店内に
およそ相応しくはなく、
けれど、
貴方の口から零れた途端に
違和感とともに途轍もない存在感を持ちました。

「お前のその手首に、手錠を掛けて、その片方を
フレームに繋ぐんだ。
同じように、足にも掛けて。」
貴方は表情を変えることなく、
貴方の中の決定事項を、淡々と伝えます。

私はそれを想像せずにはいられませんでした。
貴方によって、この手は、足は、
ベッドに括り付けられるようにして
自由を奪われ、
貴方の責めから逃れることは出来なくなります。
抵抗しようとしても、
カチャカチャと金属の触れあう
冷たい音を立てるくらいしか出来なくて、
私は完全に無力になるのです。
貴方はそうして自由を奪った私をどう弄ぶのでしょう。
羽根でくすぐるのでしょうか。
齧った歯型をつけて痛がる私を愉しむのでしょうか。
ラブドールみたいに、気紛れに遣われるのでしょうか。
被写体になるのでしょうか。
おもちゃの使い比べをされるのでしょうか。
熱くしたたるロウで模様を描くのに興じるのでしょうか。
指を這わせ、私の最も敏感な部分を探るのでしょうか。

「愉しそうだろう?」
薄く嗤う貴方の口元を眺めながら、
私はショーツを濡らしているのを自覚し始めました。








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『くちづけ』

舌に舌が触れるとき、
すごく・・・、
いやらしい心持になる。

囚われた罪びとのように、
両手首を前で束ねるように
拘束されて、
目隠しをされたまま、
私の閉じた暗い世界に
貴方がすべてとなる。

ぷに、っと柔らかい唇は、
貴方の薄い唇のすべてを受け入れ、
少し乾燥した摩擦を感じる。
けれどもそれは、
私の透明な唾液によって、
すぐに潤い、
チュパ、
ぴちゃ、と
音をたてる。

唇と唇の触れ合いから、
舌が舌への蹂躙に変わるとき、
拘束された両腕に挟まれた
ふたつの乳房は、
深い谷間を描き、
思わず先端のとがりは、
硬度を増す。
ショーツにはまもなく
猥褻な分泌液の影がにじみ、
肌は紅みを帯びて、
全身で欲情をしていることを
伝えてしまう。

舌の、味蕾の、ざらりとした感触、
その厚み、
貴方の匂い、
ぬちゃぬちゃといういやらしい音、
私のうなじをきつく抑え、
咽喉の奥まで、
舌で犯される感じ。
唇を閉じることを阻まれて、
口の端から垂れて流れる
ひとすじの唾液。
我慢しきれず漏れ出る荒い息。

貴方は、私にその一点しか触れていないのに、
私のすべてを、
蹂躙し、
支配し、
魅了してしまう。
もっとください・・・







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『ドライブ』

きつく締めたシートベルトに深く身体を拘束された儘、
深夜のドライブは続く。

過ぎ去っていく街路樹を照らす街灯も、
これから向かっていく先に見える
夜色に染まった深い黒を湛えた川を跨ぐ、
橋のアーチを照らす
等間隔に光る街灯のライトも、
人工的な美しさをもって、
私の眼を捕えている。

貴方の隣、
貴方の速度で街は遠ざかっていく。
貴方のブレーキは慎み深く、
私に不安を与えない。
このまま、行きたいと強く願う。
どこか、遠くのどこかへ。

ハンドルに手を添えて前を見据える
貴方の表情は、
いつもの私を見る表情とはどこか違う。
何が違うのか、ぼんやり思い浮かべようとするたび、
私は貴方のことを何も知らないということばかりを
知るはめになる。
私は貴方のことを何も知らない。
でも、私はこうして貴方の隣にいる。

帰りたくはない、
この先に、
なにもないと判っていたとしても







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『囁き』

ははは。もっと鳴け。
快楽と絶望の淵で狂気に堕ちろ。

狂え。
私だけを刻みつけてやる。

私が支配したのは、もはや
お前の身体だけではないという
真理に辿りつくことだろう。

お前の苦しみ、悲しみ、寂しさ、憂い、
暗く影を落とすものすべて、
私を悦ばせるもの。

もっと苦しめばいい。
もっと悲しめばしい。
私だけを求めればいい。
私以外に何も欲するものなどないと、
傷つき深い闇を宿した虚ろな瞳に
私を求める無垢な光が宿るまで
私はお前を
離さないだろう







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『鍵』

あの鍵はもうどこかへやってしまったか。

あのころ、あの鍵を大切にしていた。
手のひらの中央に慎み深く収まるくらいの、
小さな銀色の鍵。

私はいつもそれを肌身離さず持っていた。
私の持ちもののなかで、
何よりも大切にしていたかもしれない。

寝る時もすぐそばにあったし、
入浴のときは、細いチェーンに通して、
首にかけていた。

可愛らしい鍵だった。
どんなところへも、
一緒に持って行った。
その鍵と、たくさんの時間をともに過ごし、
たくさんの景色を一緒に見たと思う。
錠と一緒になるとき、
悦びに震える様に
かちりと
綺麗な音を立てた。

その鍵を持つのは
とても誇らしいことだったし、
ずっと、大切にしていくと思っていた。
今でも、
あの金属の冷たい感触、
繊細な輪郭、
ありありと想い浮かべることができる。
その鍵に触れる時、
愛しさ、悦び、いろいろな温かい感情を持つことが出来た。
もう二度とあんな鍵を持つことはないのかもしれない。

鍵・・・。

あの頃の、
私をご主人様と呼んでいた女の細く白い首に懸けた、
環に懸る錠の。








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